どうしても勝てない試合が続いた。
この日も、あと一歩というシーンがありながらもアウェイの惜しい試合を逃す。
試合途中で、僕は何かを感じて撮影場所をサイドライン際に変えた。
試合終了と同時に僕の目の前で倒れこむ選手がいた。
よほど悔しいのだろう、倒れこんだまま動かない。
目の前で起こっている光景に僕は心を掴まれた。
悔しさを体全体で表す情熱の塊。ブラジルサッカーに惹かれる魅力の一つだ。
人生は「生々しいもの」でいいのだ。生の人間ほど素敵なものはない。
僕は、写真と人生には偶然などないと思う。
特に人の表情を捉える写真はそうだ。
日々、どれだけ真剣に生き、楽しみ、悩み、苦しみ、喜び、そしてあきらめずに生きてきたか。
自分が通過していない心情世界の写真など絶対に撮れない。
そして、撮りたい写真は、真剣に求めていれば必ず目の前に現れる。
その時に撮れるかどうかは、心の準備と機材、実力次第だ。
通常、ボールボーイはホーム側が用意する。
ボールボーイはアウェイの選手には冷たいもの。
ただし、選手の真剣さに心を掴まれたのだろうか、
少年はボールを持っていくこともできずに選手の横にたたずみ続けた。
リクエストにお答えしました、続けます。 →
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