もうひとつのピューリッツァー賞

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ピューリッツァー賞(リンク先はピューリッツァー賞サイト)の写真部門が二つに分かれていることはご存知だろうか。
①ニュース速報写真
②特集写真 の2部門だ。

2008年度のニュース速報写真部門の受賞者についてはみなさんもご存知の通り。
先日、「さて、特集写真部門はどんな写真なのだろうか」と気になってピューリッツァー賞のサイトを覗いた。

受賞したのは、アメリカ、ニューハンプシャー州の地方紙と契約している女性フォトグラファー。
Preston Gannaway(リンク先はご本人のHP)さん。
2002年に地方紙のインターン(研修)をしていたというから、年令はまだ若いはず。
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受賞した内容は、末期ガンを抱える母親(妻)を見送る家族の姿を捉え続けた写真記事。
亡くなられた撮影対象者の写真の前で、もう一人の撮影対象者のリックさんと受賞を祝っている。
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この写真記事はNPPA(National Press Photographers Association)で2007年の写真賞も受賞している。

以下、写真を拝借した先を明らかにするという形で作品の一部を紹介したい。
全ての写真を見たい方はこちらのリンクをどうぞ(英語です)。
追加写真は、ピューリッツァー賞のリンク先からどうぞ。

末期の肝臓ガンで、お母さん(キャロラインさん)の余命がいくばくもないことを宣告された家族。
抗癌剤と放射線の投与で髪の毛が抜け始めた奥さんと一緒に、旦那さんのリックさんも髪の毛を剃ることにした。
写真を撮っているのがリックさんだ。
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検査のためにCTスキャンを受けるキャロラインさんをやさしくいたわるリックさん
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発作による吐き気のためにバスルームにいることが多いキャロラインさん。
長男のブライアン君は、お母さんの苦しみの姿に悲しみを抑えられない。
キャロラインさんの姉妹のサラさん、「数え切れないほどの家族の涙を見てきたわ・・・・」。
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キャロラインさんが亡くなるその瞬間にキスをする夫のリックさん。
「家族に見守られ、抱かれて亡くなりたい」。
お母さんの最後の願いを家族がかなえる時間。
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ドキュメンタリーは、キャロラインさんがなくなった後も続く。
リックさんと3人の子供達の悲しみと闘いの日々が始まる。

子供の面倒と仕事に心身ともに疲れきってしまったリックさん。
「夜、ベッドで眠りにつくことだけが望みだ・・・・」
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長男のブライアン君と口論をすることが増えたリックさん。
リックさんは父親としての限界を感じ、ブライアン君は問題ばかりを起こすようになる。
お母さんを亡くした悲しみに耐えられないのだ。
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長男のブライアン君は、寄宿制の精神治療を行う学校に1年間通うことに決まった。
寄宿先で、お父さんに置いていかないように頼み込むブライアン君。
「寄宿生活で悲しみを乗り越えて、強くなれるから、がんばるんだよ」とリックさんが励ます。
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どうだろう。
僕は、写真でしか伝えられない世界が絶対にあると、再度、この受賞作品を見て確信した。

米国と米国人は、世界中で最も嫌われている国民の一つだと思う(苦笑)。
しかし、この写真記事を見た後に何を感じるだろう。
彼らとて、同じように人生を生き抜く人間なのだ。

「写真の感動に国境はない」
国境や憎しみ、エゴを人の心が創り出すものならば、優れた写真は人の世の可能性を映し出してはいないか。
少なくとも、僕はそう思う。

写真記事が掲載された「コンコルド・モニター」紙は、部数2万部程度の地方紙。
ただし、歴史は古く、創業は1864年。
発行部数こそ少ないが、地方政治に強く、「全米最高の新聞」とタイム紙に賞賛されている。
米国は、まだまだ捨てたものじゃないと思う。

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by Pombo_Brasil | 2008-04-12 08:21 | お勧めブログ・サイト等
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