人気ブログランキング | 話題のタグを見る

頭の痛い季節

僕を含む中流階級のブラジル人にとって、年始は最も頭が痛くなる時期だ。
頭の痛い季節_e0110461_742418.jpg

自動車税や不動産税の請求に加えて、学校の始業式もほとんどが2月なので学費や学用具もそろえなければならない。
今年から私立学校に3人の子供を入れる我が家では、税金と入学金など1月だけで「ガソリンスタンドに勤めている知人の半年分以上の給料」が飛ぶ。
その後も、毎月の学費だけでちょっとした会社員の給料並(うーん)。

日本なら、僕程度の稼ぎなら公教育にまかせて終わりなのだけど・・・
国民健康保険制度に、「ある程度」信頼できる公立の教育機関。
教育や医療が関わる時は、「日本という国のすごさ」を思い知る。
世界を探しても、これだけ公的な医療と教育基準が整っている国は少ない。
言い換えれば、それだけ「それなりに豊かな人生」を送ることができるチャンスがあるわけだ。
日本では教育の崩壊が叫ばれて久しいが、それでもブラジルの教育事情に比べれば天と地の差だ。

日本に住んでいる皆さんは、自分の国が世界の中でどれだけ恵まれているか知らなすぎるのではないだろうか?

地元の大学(ブラジル)で夜間部に通う知人の息子さんは、もう何年もの間「ノートブックのコンピューターが欲しい」と言い続けている。
大学のリサーチ等でネット環境も必要だが、専用線を引くお金がないのでネットカフェや学校で調べ物をする。
お父さんは家族5人の生活費を捻出するだけで手一杯、息子さんも学費を自分で働きながら払っている。学費に見合う仕事にありつくだけでも2年かかった。
それでも、彼は幸運なブラジルの若者の一人だ。
これだけの苦労をしても大学を卒業したいという思いの強さは、ブラジルの格差社会の仕組みをご両親が良く知っているからだ。
「学がないつらさを人生を通して体験してきたのよ・・・」、彼のお母さんの言葉は重い。

格差社会?誤解を恐れずに言えば、そんな言葉は世界を見てから言って欲しい。
今の時代に日本という国に生まれた幸せ、どんな環境に育とうと、できるだけかみ締めて欲しい。

ブラジルは、写真のごとく傍目には楽しそうな国だが(いや、本当に楽しいが)、現実はまた色々あるんだよ~。
by Pombo_Brasil | 2009-01-26 07:39 | その他
<< エサ(餌)、別名を出血大サービ... 長距離バスの友 >>