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ブログ文化

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表現者は人間と人生、森羅万象の光と闇にスポットライトを当ててきた。
自分をあえて表現者の1人だと認識すれば、暗闇をぐっと飲み込んで光にスポットライトをあてる表現者たりたい。

話は変わって
昨年の後半、日本にしばらく滞在した。
その時に見たテレビ番組で、石原都知事が「日本のテレビは日本人の文化程度そのものを反映している」かのような発言をしていた。
まったくそのとおりだと思った。

日本のブログ文化しかり、本質的な部分で「質」の高いブログが少ないと思っている人、僕以外にもいるよね?
特にブログランキング上位(写真とは限らず)。確かに見せ方はうまいが、あんなものを見て心の安らぎを求めている、もしくは趣味・人生の楽しみの延長にしているとしたら滑稽だ。
もちろん見せ方・作り方はうまいよ、逆立ちしたってかなわないと思う。

かつて「日本沈没」の映画の中で、登場人物の1人が
「日本民族はもっと世界に出ないといけない」と言っているのが、当時小学生だった僕の耳に強く残った。
祖国を失った主人公(藤岡弘)が外国で列車に揺られている1コマを見て「震えた」。

中学生の時に四国の田舎ガキが「世界に出よう」と書いた紙を勉強机横の壁に貼り付けた。
大学生の時に藤原新也の「印度放浪」「チベット放浪」を読んで世界を見なければと思った。

始めて行ったインドのオールドデリー、あまりのカルチャーショックに宿から出られなかった。
チベットのラサでは、この世のものとは思えない空間に言葉を失った。
ヒマラヤでは、暗い道の果てに光があることを知り、涙が止まらなかった。
NYでは、金がなくて中国からの密航者達と地下室を共にした。心がすさんだ。それでも、努力を続けるうちに出会う人々の真っ直ぐな心に打たれた。
今はブラジルの大地を生活の場として、笑いと涙が交錯する日々が楽しい。
今の僕は藤原新也の本は暗いからキライだ(もちろん写真自体は素直に認めています)。

本来の僕はとても「世界に出る」タイプの人間ではない。だからみんな、僕に会った人は「イメージが違う」と驚く。
そうだよ、本当に無理して世界に出ているんだ。
見ないといけないもの、子供達に残さないといけないものがあるんだ。

今日書いたことが全部自分に跳ね返ってくることは分かっている。
でも、日本と日本人が好きだから、しまっておけない言葉がある。

しばらく、こんなことは書かないつもりだから、今日だけは許してくださいね。
by Pombo_Brasil | 2007-01-20 23:41
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