試合前の祈り

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ブラジルサッカーの多くの控え室で見ることができる試合前の光景
選手達が円陣になって祈る「主の祈り」
控え室に割れんばかりの大音響で響く祈りの声。
その光景をファインダーから覗いていると、まるで時が止まり、詩の一編として聞こえてくることがある。
僕はこの時間がとても好きだ。
色々な宗派や背景を持つ選手達が、試合に向けて「勝利する」という目的のために一つになる時間。
ブラジルサッカーに関わりながら、この場に居合わすことができる幸運に感謝する。

もちろん、オフィシャルとて選手達が精神的に集中する場所に居合わせることは簡単なことではない。
精神集中の妨げになると、最初は控え室への入室さえ適わなかった。
時間をかけて、選手やコーチ達と人間関係を築き、作品を見せて信頼を勝ち取った。
被写体との信頼関係は、フォトグラファーの基本だと思う。

選手達は様々な背景を持っている。
カトリック(ブラジルは世界最大のカトリック大国)、プロテスタントはもちろんのこと、
プロテスタントの中でも聖書に忠実な姿勢で知られるエバンジェリカル(福音派)に属する選手も多い。
もちろん、無宗教に近い選手やコーチ陣、監督も。

こうした背景は、普段の付き合いや、食事の際の席取りにさえ関係してくる。

しかし、試合前の祈り、この時からチームが一つになり、
そして、祈りを超えて「サッカー」という競技が全ての宗派・宗教・人種や文化を取り込み、結びつけていく。
まるで、「サッカー」という一つの大きな何かがあるように。

先日の女子ワールドカップも、国や文化、国境、人種を越えて感動を共有する機会を与えてくれた。
なでしこJAPANや各国代表が奮戦し、感情を顕わにする姿に感動したのは、日本人や参加国だけではなかった。
サッカーだけでなく、様々なスポーツが与えてくれる感動。

まだ、アスリートの世界に関わる厳しさの入り口についたばかりだ。

追伸:ノルウェーのテロ事件の犠牲・被害者の皆様に心からの追悼の意を捧げます。
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by Pombo_Brasil | 2011-07-23 11:05 | サッカー・プロ
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